コロナ(COVID-19)の影響も収まらない中、下北沢に新しい映画館ができたということを知りました。地域の再開発の動きを反映して、クラウドファウンディングで資金をつのった、少ない座席数のシアターです。
80年代には、「ミニ・シアター」ブームとでもいえる、座席数の少なく、大手配給でロードショー公開されない世界中の良作を上映するところが増えていきました。こうしたところでヨーロッパの映画を見ていた人も多いのではないでしょうか?日本で公開される外国映画のピークは1989年で、87-2005年まで公開される映画の本数は外国のものが多かったのです。
こうしたミニシアターは、映画館のマルチスクリーン化(シネコン)、デジタル化の中で、その役割を大手のシネコンに奪われ少しづつ減っていきました。
一方、劇場映画の生まれた国フランスでは、個性的な映画館が生き残っているようです。年間約270本もの映画が生産されるフランス。映画行政を管轄する国立映画センター(CNC)が支出する資金は年間約800億円です(日本の40倍)。子供への映画教育から、映画館への補助、古い名画上映サポートまでさまざま活動が行われているようです。
そもそも、フランスは映画の生まれた国。エジソンが発明したのは箱の中を覗くようなもので、スクリーンに投影して、一度に多くの人が鑑賞できる映画(シネマトグラフ)にしたのはリュミエール兄弟。映画は7番目の芸術とされ、人口は日本の半分くらいなのに、スクリーン数・観客数はそれぞれ日本よりも多いのです。
公開される外国映画よりも自国の映画が50%を超えたのは、かつて日本とフランスだけだそうですが※1、パリには世界中の古い名画を上映するところがいくつもありました。個人的な思い出としては80年代に黒澤の「白痴」をパリの小さな本屋さんのようなところで見たことがあります。いまでも普通に古い名画を上映する映画館はあるようですし、「鬼滅の刃」や「竜とそばかすの姫」のようなアニメも上映されています。カンヌ映画祭だけでなく、日常に世界の名画が楽しめる環境がフランスにはあります。
デジタルで家庭でも観ることができるようになった映画ですが、やはりスクリーンで観る映画には格別の趣があります。コロナで世界中の映画館の経営はさらに苦しくなっている中、存続応援のためにもたまには出かけてみますか。






